生命保険でお金を借りるには?「契約者貸付制度」の利用条件と方法を解説

生命保険でお金借りる

解約返戻金があるタイプの生命保険に加入している場合、解約返戻金を担保に保険会社からお金を借りられるのはご存知でしたか。

この仕組みを「契約者貸付制度」と言います。

解約返戻金とは契約解約時に受け取れるお金のことで、一般的に契約期間が長くなるほど解約返戻金の額も多くなります。

解約返戻金があるタイプの生命保険としてあげられるのが、「終身保険」「個人生命保険」「学資保険」などです。

一方掛け捨てタイプの生命保険には、解約返戻金がないため残念ながら契約者貸付制度は利用できません。

具体的には「定期保険」「医療保険」「がん保険」などです。

生命保険でお金を借りたいときは、ご自身の加入している保険の種類をチェックしましょう。

この記事では生命保険でお金を借りられる契約者貸付制度の特徴や、この制度を使ってお金を借りる際の手順を解説します。

さらに、他の借入方法と比較するので、生命保険でお金を借りたい方は参考にしてください。

保険の種類 契約者貸付制度
生命保険 利用可
定期保険 利用不可
医療保険
がん保険

保険会社からお金を借りるには生命保険の契約者貸付制度を利用する

生命保険の契約者貸付制度とは、生命保険の契約者がお金に困ったときに保険会社からお金を借りられる制度です。

契約者貸付制度でお金を借りるときに、別途担保や保証人を用意する必要はありません。

代わりに、保険契約解約時に受け取れる「解約返戻金」を担保にします。

契約者貸付制度を使ったとしても、保険契約自体は有効でそのまま継続できます。

仮に解約しないといけないようなら年齢によって保険料が上がるため、再契約時には保険料が高くなってしまうかもしれません。

生命保険の契約後に病気をするなどして健康状態が悪化していると、再契約できない可能性もあります。

しかし契約者貸付制度を使っても保険契約を続けられるため、その心配もないわけです。

このため生命保険の契約者にとっては、契約者貸付制度は比較的利用しやすいお金の調達手段といえるでしょう。

ここでは契約者貸付制度を利用する際に知っておきたい、以下2つの大きな特徴について解説します。

  • 契約者貸付制度は解約返戻金のある生命保険だけ
  • 契約者貸付制度の利用に審査は必要なし

契約者貸付制度は解約返戻金のある生命保険だけ

契約者貸付制度を利用できるのは、生命保険の中でも解約返戻金があるタイプの契約者です。

保険のテレビCMなどでは「この生命保険は保険料が掛け捨てではない」という宣伝文句がよく使われます。

保険料が掛け捨てにならないとは、言い換えると契約解除時に解約返戻金が受け取れるということです。

つまりテレビCMで「保険料が掛け捨てでない」と言われている生命保険が、契約者貸付制度の対象となるといえます。※

※注意
一部の保険会社では、契約者貸付制度に対応していません。そのため解約返戻金がある生命保険に加入していたとしても、保険会社からお金を借りられないこともあるので注意して下さい。

それでは解約返戻金があるタイプの生命保険とは、どんな種類の保険でしょうか。

具体的には、主に以下種類の保険が該当します。

【解約返戻金があるタイプの生命保険】

保険の名称 概要
終身保険 被保険者が亡くなったときに死亡保険金が受け取れる生命保険。
個人年金保険 保険料を積み立てておき、老後に積み立てたお金を基に年金が受け取れる保険。
学資保険 子供の教育資金を貯蓄するための保険。保険料を積み立てることにより、子供の進学時に学資金を受け取れる。
養老保険 被保険者が亡くなったときに受け取れる死亡保険金と、保険期間の満期時に受け取れる満期保険金が同額の生命保険。

これらの保険では契約期間の途中で仮に解約したとしても、解約返戻金を受け取れます。

契約者貸付制度が利用できるのは、上記保険です。

一方、保険料が掛け捨てとなるタイプの生命保険では、契約者貸付制度は利用できません。

具体的には、病院に入院する際やがんになったときに保険金が受け取れる医療保険・がん保険などの多くが掛け捨てタイプ※です。

また終身保険と同様に死亡保険金が受け取れる定期保険も、保険料が掛け捨てとなります。

※医療保険・がん保険の中にも、掛け捨てではないタイプも存在します。

ご自身の加入している保険が契約者貸付制度に該当するかわからない場合は、一度解約返戻金の有無を確認してみましょう。

契約者貸付制度の利用に審査は必要なし

ローンを利用してお金を借りる際は基本的に、金融機関の審査を通過しなくてはなりません。

審査をするにあたり収入証明の書類などを用意する必要もあります。

そのため審査に通過できないと、ローンでお金を借りることはできません。

過去にクレジットカードやローンの返済遅延や滞納をしていた場合、ローンの審査に通りづらくなるという注意点もあります。

ローンによっては審査に時間がかかり、結果的になかなか融資してもらえないということもあります。

その点、契約者貸付制度は審査がありません。

仮にクレジットカードやローンの審査に落ちてお金を借りられなかった人でも、契約者貸付制度ならお金を借りられます。

契約者貸付制度を利用するにあたり、改めて収入証明書類を用意する必要もありません。

審査がない分、融資までにかかる時間も短くなります。

そのため解約返戻金があるタイプの生命保険に加入している場合は、契約者貸付制度の利用を検討してもよいでしょう。

契約者貸付制度はローンより手軽にお金を借りられるのが大きなメリットです。

契約者貸付を受けるまでの手順

契約者貸付制度は審査がないことから、ローン契約よりも申し込み手続きはシンプルです。

カードローン契約時に必要となる可能性がある収入証明書類の準備や、職場への電話連絡などもありません。

そのためローン契約でお金を借りるときと比べ、時間や手間がかからずに手続きができます。

契約者貸付制度を利用する際は、あらかじめどのような手順で申し込み手続きをする必要があるかチェックしておきましょう。

手順を把握しておけば、スムーズに手続きをすすめられます。

この項では、契約者貸付制度でお金を借りる際の以下手順・ポイントについて1つずつ解説します。

  • 契約者貸付が利用できるかを確認する
  • 保険会社に連絡して申し込む
  • 郵送される書類に必要事項を記入して返送
  • 貸付までは最短で翌営業日

保険会社によって細かい手順が異なる可能性があります。

契約者貸付制度を利用する際は、ここでまとめた内容を把握した上で、契約した会社の公式サイトなどで実際の手順を確認ください。

契約者貸付が利用できるかを確認する

契約者貸付制度は、保険会社が義務として用意しなくてはならない仕組みではありません。

そのため保険会社によっては、契約者貸付制度が利用できないこともあります。

契約者貸付制度はあくまで、保険会社が契約者向けに提供するサービスの1つなのです。

保険を選ぶ際は、その保険会社に契約者貸付制度があるかないかも判断材料にしてよいでしょう。

契約者貸付制度に対応していれば、何かあったときにお金を借りられます。

大手保険会社では、たとえばライフネット生命や楽天生命、アクサダイレクト生命などが契約者貸付制度を用意していません。

一方、メットライフアリコやアフラック、ソニー生命などでは契約者貸付制度を利用可能です。

契約者貸付制度を利用したいときは、まず契約している保険会社の公式サイトやコールセンターなどで対応可否を確認しましょう。

仮に契約先が契約者貸付制度に対応していない場合、解約返戻金があるタイプの生命保険に加入していてもお金を借りることはできません。

保険会社に連絡して申し込む

契約中の保険会社に契約者貸付制度があることがわかった場合、次に申込を行います。

契約先の保険会社へ連絡して手続きを行うのですが、手続き方法として以下のような種類があります。

  • オンラインで申込み
  • コールセンターへ電話
  • 店舗で受け付け
  • 提携ATM

オンライン申込みの場合、専用の管理画面で申込作業をすれば、それですむ場合が多いです。

一方、コールセンターへ電話で申し込む方法では、後日契約書類が送られてくるので記入して返送します。※

※保険会社によっては、電話だけで申し込みが完結します。

その他、保険サービスによっては店舗や提携ATM(コンビニATMなど)で申し込み手続きを行えるタイプもあります。

提携ATMでの申込とは、専用のカードを使って提携するコンビニATMなどからお金を引き出す方法です。

この場合、他に申し込みに必要な作業はありません。

申込方法の中でも、オンラインや提携ATMなら書類を記入したり提出したりする必要がなく簡単です。

より手軽にお金を借りられるでしょう。

実際、どのような種類に対応しているかは保険会社によってそれぞれです。

以下、主な保険会社で契約者貸付制度を申し込む方法の種類を表形式でまとめます。

保健会社名 申込方法
メットライフ生命 オンライン・電話
アフラック 電話
オリックス生命 電話
住友生命 オンライン・電話・提携ATM
明治安田生命 電話・店舗
アクサ生命 オンライン・電話
ソニー生命 オンライン・電話
SOMPOひまわり生命 電話
大樹生命 オンライン・電話・提携ATM
第一生命 オンライン・電話・店舗
FWD富士生命 電話

郵送される書類に必要事項を記入して返送

コールセンターへの電話で申し込んだ場合、前述の通り申込に必要な書類※が送られてきます。

具体的にどのような書類が必要になるかは、オペレーターから案内があります。

求められる可能性がある書類の例は以下の通りです。

名称 内容
申込書 保険会社が用意した所定の申込書
請求書 保険会社が指定したフォーマットの請求書
本人確認書類 運転免許証・パスポート・マイナンバーカード・保険証・年金手帳などのコピー

実際にどのような書類が求められるかは、保険会社によってそれぞれです。

詳しくは電話に出たオペレーターの指示に従って下さい。

なお保険会社によっては電話だけで手続きが完了し、書類の記入や提出が必要ない場合もあります。

こちらも詳しくは、契約先の保険会社へ確認しましょう。

書類の記入や提出が面倒な場合は、オンラインや提携ATMでの手続きを選びましょう。

契約先の保険会社がこれらの方法に対応していれば、基本的にオンライン・提携ATMで手続きが完了し書類は不要です。

貸付までは平均で2~3営業日必要

お金を借りるときに「融資までにどのくらい時間がかかるか」も重要ですね。

急ぎの融資を希望するときに時間がかかると、金利などの条件がよかったとしてもそのサービスは使えません。

銀行のローンなどを利用する場合、申込からお金が振り込まれるまで時間がかかることが多いです。

審査にも時間がかかります。一方、契約者貸付制度では審査がないことから速やかにお金を受け取れます。

参考までに、大手保険会社で契約者貸付制度を利用する場合、申し込みからお金が振り込まれる時間は以下の通りです。

保健会社名 申込から融資までにかかる時間
メットライフ生命 最短3~4営業日
アフラック 申込書類到着から約1週間
住友生命 最短即日
アクサ生命 最短3営業日
ソニー生命 最短翌営業日
SOMPOひまわり生命 最短翌々営業日
大樹生命 約1週間
FWD富士生命 最短翌営業日

ご覧の通り契約者貸付制度でお金を借りるまでにかかる時間は、保険会社によってそれぞれです。

オンラインや提携ATMで手続きができる保険会社の場合、比較的時間がかからず、お金を借りられます。

生命保険からお金を借りる際の注意点

契約者貸付制度は審査が不要な上に、融資までにかかる時間が短いなどメリットが多い借り入れ方法です。

保険会社によっては、最短で申込の当日や翌日にお金を借りられる場合もあります。

解約返戻金があるタイプの生命保険に加入してさえいえば、比較的手軽に利用可能です。

その一方で利用にあたってはいくつかの注意点もあり、必ずしも希望通りに必要なお金を調達できるとは限りません。

契約者貸付制度でお金を借りる際は、あとで困ることがないように、これら注意点を覚えておきたいところです。

ここでは、契約者貸付制度を利用する際に注意したい以下のポイントを1つずつ紹介します。

  • お金を借りた際には利息が発生する
  • 返済をしない場合は生命保険の解約もある
  • お金を借りれるのは契約者のみ
  • 借入可能額は解約返戻金の7割程度

お金を借りる方法を探している場合は、これら注意点も把握しておき、他の方法と比べどちらを選ぶとよいか考えるとよいでしょう。

お金を借りた際には利息が発生する

他人からお金を借りる場合、いくらかでも利息が発生することがほとんどです。

これは契約者貸付制度も例外ではありません。

契約者貸付制度にも金利があり、借りたお金には当然ながら利息が発生します。

保険会社や保険商品、契約の時期によって利率が異なります。

一般的には、予定利率※が高い保険契約の方が利率も高くなる傾向です。

※予定利率
保険会社は契約者から集めた保険金を運用して増やしています。「予定利率」とは、この運用で契約者に約束する利回りのことで、予定利率が高くなるほど保険料も安くなります。

以下、参考までに大手保険会社が設定している契約者貸付制度の利率をいくつか紹介します。

【契約者貸付制度の利率比較】

保健会社名 利率
メットライフ生命 2.0%
※2018年2月以降に契約した円建定額終身保険の場合
アフラック 2.75%

※2001年4月2日以降の契約が該当

オリックス生命 2.85%
※2014年8月2日以降に契約した終身保険の場合
住友生命 1.55%
※2017年4月2日以降の契約が該当
明治安田生命 2.15%
※2013年4月2日以降の契約が該当
ソニー生命 2.5%
※2019年1月2日以降に契約した定額保険の場合

ご覧の通り保険会社によって大きく異なります。

また同じ保険会社でも契約商品・契約時期によっても差があるので注意しましょう。

たとえばメットライフ生命で2018年2月以降に契約した円建定額終身保険の年利は上図の通り2.0%です。

しかし同じ時期から契約した米ドル建定額終身保険の場合は4.25%と高くなります。

いずれにしろ利息が発生するということは、返済期間が長くなるほど支払うべき利息も多くなるので注意しましょう。

契約時には金利がどのくらいか確認するのはもちろんのこと、利息が少しでもおさえられるように、できるだけ早く返済するのがおすすめです。

返済をしない場合は生命保険の解約もある

保険会社の業務は保険商品の販売であり、お金を貸すことではありません。

契約者貸付制度は、あくまで解約返戻金を担保にできる範囲での付帯サービスです。

そのため契約者貸付制度でお金を借りて返済の遅れや滞納が続き、元利金※が解約返戻金の金額を超えると契約を解除される可能性があります。


元利金とは、借りたお金を意味する「元金」と利息をあわせたお金です。

仮に保険料はきちんと支払っていたとしても、大目に見てもらえるわけではありません。

万が一、契約者貸付制度の返済遅延が原因で保険契約が解除されてしまった場合、同じ保険会社で改めて再契約するのは困難です。

また他社で似た契約内容の保険を契約しようとしても、契約時より年齢が高くなっている分、保険料が高額となる可能性が高くなります。

保険契約は、一般的に若いうちに契約した方が保険料は安いためです。

このように不利益となることも多いので、契約者貸付制度で借りたお金はきちんと返すようにしましょう。

また契約者貸付制度でお金を借りる金額は、確実に返済できる範囲内におさめるようにします。

契約者貸付制度では利子の計算方法に関して、単利でなく複利※が採用されることが多いので注意が必要です。

結果、想定していたより多くの利息が発生する可能性もあります。

単利とは元本に対してのみ利息がかかる計算方法、複利は「元金+利息」に対して利息がかかる計算方法です。

たとえば10万円を借り、金利が年5%だったとしましょう。単利の場合、以下利息が毎年発生します。

10万円(元本)×5%=5,000円

一方、複利では1年目に発生する利息は単利と同じものの2年目には以下の利息が発生します。

「10万円(元本)+5,000円(利息)」×5%=5,250円

お金を借りれるのは契約者のみ

1つの保険契約には、複数の人が絡んでくる可能性があります。

保険を契約し保険料を支払う「契約者」の他、保険金の対象となる「被保険者」、保険金が支払われる「受取人」もいます。

契約者・被保険者・受取人は同一である場合も多いですが、それぞれ以下、終身保険の契約例にあるように別々であることも少なくありません。

  • 契約者:父親
  • 被保険者:妻
  • 受取人:子ども

この契約では保険料を支払うのは父親ですが、保険金が支払われるのは被保険者である妻が亡くなったときです。

また保険金を受け取れるのは契約者ではなく受取人である子どもです。

これをふまえ、契約者貸付制度は名前の通り、契約者だけが使える制度である点は注意しましょう。

たとえば上記例では、将来的に保険金を受け取れる子どもが使えてもいいように感じる人もいるかもしれません。

しかし実際には被保険者である妻も受取人である子どもに関しても、契約者貸付制度でお金を借りることはできません。

あくまで契約者である父親だけがこの制度を利用してお金を借りられるわけです。

借入可能額は解約返戻金の7割程度

契約者貸付制度でも当然ながら借入れが可能な金額に上限があり、だいたい解約返戻金の7割程度です。

この上限は保険会社によって異なる上、同じ保険会社でも商品ごとなどでも差があります。一概にどのくらいとは言えません。

以下、参考までに第一生命が公開している契約者貸付制度の利用可能額を一部紹介します。

【契約者貸付の利用可能額(第一生命/2021年1月時点)】

商品の種類(商品名) 解約返戻金に対する
利用可能額の割合
終身保険
(ジャスト終身保険)
8割
養老保険
(ジャスト養老保険)
8割
終身保険
(ミリオン)
7割
変額保険
(プロシードW)
7割
終身型変額保険
(ミリオン変額型)
6割
個人年金保険
(長寿年金)
6割

参照元:第一生命公式サイト「契約者貸付限度額

ご覧のように第一生命の中でも保険商品によって異なる上に、同じ種類の保険でも違う商品であると上限に差があります。(例:終身保険でも商品によって8割もしくは7割)

現在契約中の商品でどのくらいかは、公式サイトで公開されていないことも多いです。

その場合は、オンラインの契約者ページで調べたり、直接保険会社へ問い合わせたりして確認する必要があります。

なお解約返戻金は契約年数が経過するごとに増えていくので、契約して間もない段階では多くありません。

そのため借り入れられる上限額も少ないので注意しましょう。

たとえば終身保険の中でも低解約返戻金型では、一定の契約期間を超えるまで解約返戻金は支払済の保険料総額より少なくなります。

仮に保険料が月額5,000円の保険の場合、契約して1年後の支払済保険料総額は5,000円×12ヵ月=60,000円です。

このとき、契約者貸付制度で借りられるお金の限度額は、解約返戻金の7割までとすると60,000円×7割=42,000円よりも少なくなります。

このように契約内容や契約してからの経過期間によっては、借りられる額も限られます。

生命保険以外の借入先とはどう違うのか

「すぐにお金が必要」「低金利でお金を借りたい」「高額な融資を受けたい」など、借り入れを希望する人のなかでもニーズはさまざまです。

お金を借りるときは、なるべく希望する条件に近い方法を選びたいものですね。

生命保険の契約者貸付制度以外でも当然ながらお金を借りる方法があり、方法ごとに特徴が違います。

そのためニーズによっては、生命保険の契約者貸付制度より他の方法を選んだ方がよいこともあるわけです。

ここではお金を借りるときに利用する人が多いカードローンと、契約者貸付制度の特徴を比較してみます。

その上で、よりご自身の希望に近い方法を選んでいただくとよいです。

比較の前に、ここまで説明してきた契約者貸付制度の特徴を簡単におさらいします。

【生命保険の契約者貸付制度でチェックしておきたい主な特徴】

  • 審査なしでお金を借りられる
  • お金が借りられるのは最短で申込の翌営業日
  • 借りられる金額の上限は、解約返戻金の7割程度
  • 金利は保険会社や保険商品などによって異なる

こういった特徴がある契約者貸付制度とカードローンでは、どのような違いがあるのでしょうか。

消費者金融なら即日で融資が可能

契約者貸付制度でお金を借りる場合、審査がない分だけ借入れまでにかかる期間も短くてすみます。

実際にかかる期間は保険会社によって異なりますが、最短で申込の翌営業日にはお金を借りられます。

ただし、人によっては「もっと早くお金が必要」という場合もあるでしょう。

そんなときに選べるのが消費者金融のカードローンです。消費者金融のカードローンであれば、最短申込即日でお金を借りられます。

そこで、ここでは契約者貸付制度と消費者金融のカードローンを簡単に比較してみましょう。

金利などの情報は、オリコン顧客満足度調査2021「ノンバンクカードローン」部門でトップを記録したプロミスを例に紹介します。

【消費者金融のカードローンと契約者貸付制度の比較】

項目 消費者金融のカードローン
(プロミスの場合)
契約者貸付制度
借り入れまでにかかる期間 最短1時間 最短翌営業日
借入限度額 500万円まで 解約返戻金の7割程度
金利 4.5%~17.8% 数%程度
※保険会社や商品によって異なる(2018年2月以降に契約したメットライフの円建終身保険の場合は2.0%)
審査 貸金業法に基づき返済能力が厳正に審査される なし
申込条件 年齢20歳以上、69歳以下のご本人に安定した収入のある方 生命保険の契約者

ご覧のようにプロミス(消費者金融のカードローン)であれば、最短1時間でお金を借りられます。

契約者貸付制度も最短翌営業日と時間がかかりませんが、もっと早くお金が必要なときにはプロミスの方が適しているでしょう。

また借り入れ限度額に関しプロミスは500万円までなのに対し、契約者貸付制度は解約返戻金の7割程度までです。

解約返戻金の金額は保険商品や保険金額、契約期間によっても異なりますが500万円以下となる可能性も高いです。

特に契約してから間もないと、解約返戻金の額も限られます。結果、プロミスのような消費者金融のカードローンであれば限度額が高くなります。

一方で審査が不要となる点は、消費者金融のカードローンにない契約者貸付制度のメリットです。

生命保険の契約者であれば誰でも利用でき、消費者金融のカードローンに設定されているような申込条件もありません。

金利に関しても、契約者貸付制度の方が安くなる可能性は高いです。(選ぶ保険会社や保険商品により異なる)

これら違いを把握して、よりご自身の希望に近い方を選びましょう。

高額融資を希望するなら金利の低い銀行カードローン

消費者金融のカードローンと比較した際にも書いた通り、契約者貸付制度で借りられる金額は解約返戻金の7割程度です。

そのため契約してからあまり期間が経っていない場合を中心に、借りられる金額の上限が多くない可能性があります。

一方でカードローンであれば数百万円単位の借り入れが可能です。なかでも銀行カードローンであれば金利を抑えられるというメリットもあります。

実際、銀行カードローンの金利がどのくらい安くなるか、以下表でご覧ください。

【カードローンの金利比較】

種類 提供元 金利(実質年率)
消費者金融 プロミス 4.5%~17.8%
アイフル 3.0%~18.0%
SMBCモビット 3.0%~18.0%
アコム 3.0%~18.0%
レイクALSA 4.5%~18.0%
銀行 三菱UFJ銀行 1.8%~14.6%
楽天銀行 1.9%~14.5%
三井住友銀行 1.5%~14.5%
イオン銀行 3.8%~13.8%
ジャパンネット銀行 1.59%~18%

これをふまえ、今度は契約者貸付制度と銀行カードローンの特徴を比較してみましょう。

参考までに金利などは三菱UFJ銀行カードローン(バンクイック)のデータを掲載します。

【銀行カードローンと契約者貸付制度の比較】

項目 銀行カードローン
(バンクイックの場合)
契約者貸付制度
借り入れまでにかかる期間 1週間程度
(カード郵送の場合)
最短翌営業日
借入限度額 500万円まで 解約返戻金の7割程度
金利 1.8%~14.6% 数%程度
※保険会社や商品によって異なる(2018年2月以降に契約したメットライフの円建終身保険の場合は2.0%)
審査 返済能力が厳正に審査される なし
申込条件
  • 満20歳以上65歳未満で国内に居住する個人
  • 外国人の場合は永住許可を受けている個人が対象
  • 原則安定した収入があり、保証会社の保証を受けられること
生命保険の契約者

ご覧のように銀行カードローンであれば、数百万円単位の借入れが可能です。

解約返戻金の7割程度に上限がおさえられた契約者貸付制度より、高額のお金を借りられる可能性があります。

金利をみると全体的には契約者貸付制度の方が高く傾向ですが、バンクイックでは下限金利が1.8%と低いです。

借りるお金が高くなるほど金利も少なくなりますから、場合によってはバンクイックの方が金利はおさえられる可能性もあります。

一方、銀行カードローンでは厳正な審査が行われる反面、契約者貸付制度は審査が不要。

契約者であれば無審査で借り入れられるメリットがあります。借入れまでにかかる時間も、契約者貸付制度の方が短いです。

このように両者特徴が異なるため、どちらが希望に近いか検討してみるとよいでしょう。

まとめ

解約返戻金がついた生命保険を契約している場合、契約者貸付制度を利用し保険会社からお金を借りられる可能性があります。

この制度で借りられるお金の金額は解約返戻金の7割程度まで、金利は保険会社や商品によって異なりますが数%程度です。

契約者貸付制度を利用できるのは生命保険の契約者のみといった注意点がある一方で、審査なしで借りられるというメリットもあります。

ただし返済が滞り、元利金が解約返戻金を超えると該当の保険契約が解約されてしまうので注意が必要です。

仮に契約を解除されると同じ保険会社で再契約するのが難しくなります。

契約時より年齢があがっていることから別の保険会社で同様の保険契約をする場合も、保険料が高くなってしまう可能性が高いです。

一方、最短即日でお金を借りたいのであれば、審査がスピーディーな消費者金融カードローンを選ぶ方法もあります。

銀行カードローンであれば、利用上限額が数百万円にのぼる上に、金利が低く抑えられるというメリットもあります。

契約者貸付制度を利用する際は、注意事項をよく確認したうえで、利用するようにしましょう。